五月祭OBインタビュー -原 辰徳 先生-

東大生に「喝!」を入れに来てください

原辰徳先生

東京大学 人工物工学研究センターの准教授として活躍されている原 辰徳先生。学生時代は五月祭常任委員会の一員として、五月祭の運営に携わっておられました。そんな原先生に、五月祭について伺いました。

「新しいものをみんなで作る」ことは、今にもつながっています

———本日はよろしくお願いします。まずは、原先生のご経歴をお聞かせください。

私は2000年に東京大学の理科一類に入学して、2004年に工学部システム創成学科を卒業しました。その後は同大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻に進学し、現在はそこの准教授を兼担しています。

———どのようなことを研究されているのですか?

簡単に言うと、「モノとサービスを結びつける」ということを研究しています。
一人暮らしとかだと、「車」は借りたり、シェアしたりすれば事足りますよね。機能だけがほしい場合は、使いたいときにだけ使えればいいんです。つまりモノの価値が、モノそのものよりその「機能」にシフトしてきているということとなります。そこで、モノを作って売るという発想だけでは不十分で、「モノ」と「モノ」の機能を届けたり増大させたりする「サービス」とを初めから区別するのではなく、より良く組み合わせて提供する方法などを研究しています。

———ありがとうございます。では早速五月祭についてお伺い致します。学生の頃、五月祭とはどのように関わっていらっしゃったのですか?

学生の頃は五月祭の委員として、祭の運営に携わっていました。具体的には火気担当として五月祭での火気管理を担当したり、システム担当として企画の登録などをウェブ上で行えるようなシステムを作成したりしていました。

———ウェブ上のシステムというと、今でこそデジタル化が進んでいますが、2000年代前半では珍しかったのではないでしょうか?

そうですね。僕が委員として活動していた頃は、まだこういう風にシステムを使って効率的に運営をしていた学園祭は少なかったので、珍しかったと思いますよ。あとは、来場者のために地図上に企画の情報を表示させるシステムなども作成しました。

このように「何か新しいものを、みんなと協力して作る」ことが好きでしたね。これは今の研究の仕事にもつながっていると思います。このように「何か新しいものを、みんなと協力して作る」ことが好きでしたね。これは今の研究の仕事にもつながっていると思います。

当時は、学生のエネルギーが凄かったですね

インタビューの様子

———なるほど。では次に、最近と当時の五月祭の違いがあれば教えてください。

基本的には今と変わりませんが、強いて言えば今の方が中学・高校生の来場者が増えているような気がします。前より学術企画が増えたこともあって、東大に興味のある中高生が多く来ているのでしょうね。

あとは昔のほうが今より学生に活気があった気がします。当時は、駒場寮の名残もありましたし、まだ学生運動も残っていて、そのエネルギーが学園祭にも繋がっていたのか、なんというか勢いがありましたね。

例えば、委員会が主催する企画向けの説明会で、委員会に対して「断固反対!」などとやじを飛ばして異議を申し立てたり、学園祭の期間中にも、学校の構内に残って夜通し盛り上がったりする学生が数多くいましたね。もちろんそれが良いという訳ではないですが(笑)。

今の学生の方がやはり大人しいという感じはありますね。

第75回五月祭(2002)の様子 第75回五月祭(2013)の様子
1枚目:第75回五月祭(2002)の様子 2枚目:第86回五月祭(2013)の様子

東大生をしっかり「見て」あげてください

———確かに良い意味でも悪い意味でも、今の学生は落ち着いている感じはありますね。
続いて先生の考える五月祭の魅力について教えてください。

五月祭の魅力といえば、やはりアカデミックさが挙げられるのではないでしょうか。東大生の学術や研究発表の場はなかなかありません。中高生に限らず、五月祭で東大の学問に触れてみるのは良い経験になると思います。

そして来場者だけでなく、参加する学生にとっても魅力があると思います。

それは、「見られること」です。

多くの東大生が、自分の大学での活動と関わりをもった形で五月祭に参加します。研究発表や、サークル内の仲間との交流など様々ですが、その全てを来場者の皆さんの目の前で公開するのが五月祭です。多くの人の注目を集め、賛美や批判の目を向けられること。この「見られる」という事実は、独りよがりで、井の中の蛙になりやすい大学生にとって必ず人生の糧になると思います。

———最後に来場者に向けて一言お願いします!

来場者のみなさん、ぜひアカデミックな五月祭を心ゆくまで楽しんでください。そして「見る」ことによって東大生一人一人に「喝」をいれていただきたいと思います。

プロフィール

原辰徳先生

原 辰徳 (はら たつのり)
東京大学 人工物工学研究センター 准教授
(大学院工学系研究科精密機械工学専攻を兼担)

2000年 静岡県立韮山高等学校卒業。
2004年 東京大学工学部システム創成学科卒業。
2006年 東京大学大学院工学系研究科精密機械工学専攻 修士課程修了。
2009年 同専攻博士課程修了。工学博士。
2013年3月より現職。
東京大学 学生表彰 工学系研究科長賞(博士・研究)を受賞。サービス工学、製品サービスシステム、観光サービスなどの研究に従事。サービス学会、観光情報学会 各理事。精密工学会、日本機械学会、情報処理学会 各会員。