農学部で、木造建築の材料と構造を研究している木質材料学研究室。木材を知り尽くした学生たちが、知識と技術を集積させて作り上げるパビリオン。
毎年テーマに沿って各個人が発想したアイデアを、コンペで投票。選出された作品を、学生たち自らの手で、設計、加工、組み立て、施工を実施します。
2005年に始まる当研究室の木質パビリオン企画は、今年で18回目を迎えます。過去には軸材を使ったもの、面材を使ったもの、ドーム状の作品から門型の作品まで。使う材料も完成した作品も多種多様なものを作り上げてきました。
第95期五月祭では、どんな作品がお披露目されるのでしょうか。乞うご期待。
木材は再生可能で環境に対する負荷が少ない生物材料であり、また、木材を利用することは二酸化炭素の貯蔵につながり地球温暖化防止にも役立ちます。木質材料学研究室では、主に建築用構造材として木材を最大限に有効利用することを目指し、基礎から応用までの一連の研究を進めています。 基礎的な部分では、主に木材の物理的な性能を対象にしています。木材は自然材料のため、鉄やコンクリートと違って、人がコントロールして品質を均一にすることが出来ません。建築用構造材として取り扱うためには、製材、木質材料に関わらず、変形性能や強度特性を把握しておくことがとても重要です。応用研究としては、木質構造物の設計やその構造安全性、耐久性向上のための研究が大きなテーマです。正しい設計を行えば、木造建築は十分な耐震性能、耐火性能が得られることが分かっています。その体系化に向けた実験的・解析的検討、木材利用を促進させるような新たな構法開発などを行っています。