The 95th May Festival

語り尽くす!東大オーケストラ対談

この特集記事では、東大を代表するオーケストラである、「東京大学フィロムジカ交響楽団」と「東京大学音楽部管弦楽団(通称・東大オケ)」から代表者のお二人をお呼びして行った対談の様子をお届けします。

対談参加者

委員
五月祭常任委員会・委員
梶村
東京大学フィロムジカ交響楽団・梶村さん
前田
東京大学音楽部管弦楽団・前田さん

普段の活動は

委員
普段はどのような活動をされているのですか。
梶村
基本的に年2回の定期演奏会に向けて練習を進めています。現在は、7月の定期演奏会と五月祭の演奏会に向けて練習を頑張っています。
前田
五月祭、駒場祭に加えて、夏に全国4カ所でのコンサートツアー、冬の定期演奏会というメインのイベントがあります。それに向けて週2回練習しています。

お互い刺激を与えあっている

委員
お互いの演奏会を聴きに行ったりすることはありますか。
梶村
行きました! ブラームスを聴きに行きました。東大オケさんすごいなあ、と思いながら楽しませていただきました。私たちも頑張りたいと思います。
前田
僕自身はあまり行ったことはないのですが、東大オケの中にも他団体の演奏を見に行っている人もいますし、同じ大学のオーケストラや吹奏楽の団体に興味のある人は多いですよね。
梶村
お互い知り合いも多いですし、同じ曲目を扱うこともあるじゃないですか。そういうときに聴きあって、勉強しあって、「こういう解釈でやってるんだな。うちはどうしようか。」などお互い刺激を与えあっていると思います。
前田
曲目が被ると、行かないといけないな、という気持ちになりますね。他にも、自分の好きな曲が他のオーケストラではどのように演奏されるのだろうか、という興味で見に行くことも多いですね。

弦と管が合わさって生まれる(オーケストラの)魅力

委員
ここからはオーケストラについて掘り下げていこうと思います。ずばりオーケストラの魅力は何ですか? 混同されがちな吹奏楽との違いはどこにあるのでしょうか?
前田
やはりオーケストラは弦楽器がいるので、管楽器だけでの吹奏楽では出せない音色や演奏できないメロディがあったりします。団体として出せる音の幅が広がるというのがオーケストラの魅力であり、難しいところですかね。
梶村
僕はバイオリンを弾くんですが、吹奏楽にはバイオリンパートがないので、オケじゃないと入れてもらえないんですよね(笑)。また、吹奏楽にも当てはまりますが、人が単純に多いというところが魅力です。誰かと一緒に弾くということは、理想の音楽を共有しながら一緒に作り上げていくという、絶えざる協力のプロセスなんです。「僕はこういう音楽がいい。君はどう?」や「君はそういうのをやりたいんだね。じゃあ乗ってあげよう」など、何かを共有しあっている感覚みたいなものが絶対あると思っています。東大オケの方がおっしゃった「楽器の幅ゆえの難しさ」も分かります。やはり弦楽器を弾く人と管楽器を吹く人は同じ楽譜を見たときも捉え方が違って、それをどう調整していくかが、魅力であり難しさでもあるように感じます。
前田
吹奏楽と違ってオーケストラの演奏は流動的に感じます。例えば、テンポで言えば、吹奏楽は指揮が出す一定のテンポに合わせる練習が多いですが、オーケストラでは楽譜に指定したテンポが書いてある、ということはほとんどないんです。揺れ動く生物のようなものの中で自分がどういう役割を果たしていくのか、どうやって合わせていくのか、という要素が吹奏楽と一番違っていて、かつ魅力であるように思います。

大人数ならではの難しさ

委員
逆にオーケストラならではの大変さや苦労はどこにありますか?
梶村
先ほども言ったように、人が多ければ多いほど音楽を作りあげるには大量のコミュニケーションが必要なんです。1つのイメージや世界観を共有して、それを表現したい気持ちは皆が持っているところだと思うので、それをどう共有していくかは難しいところですね。
前田
管楽器だと1人につき1パートが与えられるのですが、弦楽器だとみんなで同じ譜面を弾くんですよね。それでいながら、実際合奏になると他のパートのやりたい形にも合わせることが必要になります。それはやはり難しいことではあります。

五月祭でしか聞けない音

委員
フィロムジカさんは「東京大学フィロムジカ交響楽団五月祭演奏会」と「名曲喫茶」、東大オケさんは「東大オケ五月祭特別演奏会」と「東大オケ室内楽演奏会」を出展されます。それぞれの魅力やおすすめポイントを教えてください。
梶村
「五月祭演奏会」では、7月の定期演奏会に出す曲の中から何曲か抜粋してお届けします。フィロムジカにはフィロムジカの音があって、フィロムジカの音の奥には、フィロムジカの人たち一人ひとりの音楽観や人間観みたいなものまで滲み出ています。だからフィロムジカはフィロムジカの音を演奏しますし、東大オケさんにもきっとそういう物語があると思うので、皆さまにはどちらにも来ていただき、聞き比べていただければと思います。
「名曲喫茶」では、団員の中から有志で室内楽、例えば弦楽四重奏などをお届けします。少人数でのアンサンブルも、先ほど申し上げたオーケストラの魅力が非常に凝縮された形で現れていると思いますので、そちらも合わせてお楽しみいただければと思います。
前田
普段の演奏会と違って、「五月祭特別演奏会」では短めの曲を多く演奏します。オーケストラは1つの国の曲で揃えるなど、というように統一感のあるプログラムを組むことが多いのですが、五月祭ではいろいろな種類の曲を混ぜています。例えば、今回はこうもり序曲というウィーンのワルツを演奏したり、フランスのドビュッシーの小組曲を演奏したりします。1つの種類の音だけではなくて、いろいろな国のいろいろな作曲家の音を1回の演奏会で楽しめるというのが魅力です。
また、「室内楽演奏会」では、オケのメンバーで吹奏楽の曲を演奏します。オケの人がどういう風に吹奏楽を捉えて演奏するのかというところも楽しめます。
梶村
いいですね、こうもり序曲! 大好きなんです。聴きに行きます。
前田
ありがとうございます。
委員
ご来場の皆さまには、ぜひ両団体の演奏を聴きに行っていただきたいと思います。企画はYouTube Liveでの配信と、一部アーカイブ視聴が可能となっております。五月祭公式ウェブサイトよりぜひご覧ください。お二人とも本日はありがとうございました。
梶村
ありがとうございました。
前田
ありがとうございました。
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