「縁」とは、つなげるものでありながら排除するものであるという矛盾を内包したつながりである。「縁」は結ぶものであろうか、それともただそこに在るだけのものか。手を伸ばしても触れることができない私たちは、知ろうとすることしかできない、しかし知ろうと届かない手を伸ばすことはきっと「縁」につながる。「縁」とはつながりそのものであり、且つつながりを呼ぶ契機となるものである。
我々は、文学部推薦6期生である。
コンテンツ
- 中世・近世日本社会における「縁」に関する試論:日本史に関心がある細羽弘毅と図像学に関心がある北慎之介による共同論考です。北が中世を、細羽が近世を担当し、それぞれのアプローチで前近代の日本社会における「縁」のあり方について考えます。
- 文芸創作企画:時任瑠璃・長谷川凜・渡邊新月による連詩作品です。言葉で創作をしたい3人で、詩・散文・短歌や俳句など、オーバージャンルで渡りあってみました。感想エッセイ付き。
- 現代詩:村上陽香による現代詩作品です。ただの女子大学生が日常の中で「縁」を感じる瞬間、空気、色、人、ものについて、言葉をぎゅっとつめこみました。
- 対談企画:ダンサーのJin-Zoと歌人の渡邊新月による企画。東大生活1年目の振り返りから始まって、表現や音楽、振り付け、言葉、演劇、「型」や無意識をめぐる対話です。ダンスと短歌の交わるところへ……。インタビュー風。
- コラム:日本語に関心のある村上陽香によるコラムです。似ているようで似ていない、近いようで近くない言葉たちを集めました。それらの言葉が近いと思う理由について、感覚的に語ってみました。